高野山の沢筋や鬱蒼としたスギ林の地表には緑の苔の絨毯が広がっています。
湿度の多い高野山ではよく見かける風景で、森林の中をより濃厚な緑の世界にしてくれています。
その中の1種類にひときわ背の高い苔があります。それがコウヤマンネングサです。
コウヤマンネングサは普通の苔とは少し違った形をしており、5センチ程の茎の上に緑の葉を茂らせ、その姿はさながら苔の世界の小さな樹木のようです。
昭和30年代までは、高野山の町中でよく見かけるコウヤマキの枝葉を販売する露店等でこのコウヤマンネングサも沢山販売されていました。
そのため自然界では激減してしまい森林の中で自生している姿を見かけることが難しくなってしまいました。
やがて、露店の店頭からも姿を消してしまいました。
現在は、その数も徐々に回復しており、森林を歩いている途中でコウヤマンネングサの群落を見ることができるようになりました。
森林セラピーで訪れるコースでも見かけることがあれば、ぜひ実際に触れて感触を楽しんでみて下さい。