風の冷たさが和らぐ頃、高野山では可憐で小さなスミレがあちこちで顔をのぞかせ、春の訪れを知らせてくれます。
いったい日本には何種類のスミレがあるかご存じでしょうか? 約50種類のスミレが自生していると言われています。
世界的に見てもこの種類数は多く、日本はスミレ王国とも呼ばれているそうです。また、春の短い時期に一斉に咲くため、交雑種が多いのもスミレ類の特徴です。
春、奥ノ院の参道を歩いていると、陽の当たる石垣や空き地に水色のスミレが咲いています。これがタチツボスミレです。
以前紹介したシハイスミレと共に高野山では、良く目にするスミレです。このほかにも奥ノ院の湿地には、白花のツボスミレも見ることが出来ます。
因みに、スミレの仲間には「スミレ」という名のスミレがあります。スミレは、明るい草原や道端に自生しているため、奥ノ院のような薄暗い場所では
あまり見ることが出来ません。高野山のような森が多い環境では中々見ることが出来ないのが残念です。